育児フェス・2020春


パソコンを整理していたら、4月にFacebookに投稿した文章の下書きが出てきたので、放置しているブログのネタにしてしまおう。


2020年4月24日

我がストレイト・コンサルティングは、外出支援に特化したようなヘルパー事業所だから、今月の利用のキャンセルはものすごい数だ。
経営にアレが垂れ込めている。
暗雲だ。ア~ン♡ウ~ン♡もうダメ♡
現金がないからマジでつぶれるかもしれない。
いや、実際には、銀行から金を借りるからつぶれないんだけど。
なんて思いながらFBをながめていた先週。
業界の先輩の記事が目に留まる。「感染リスクを負って出勤しているスタッフに特別の手当を支給することにした」とのこと。
わお!めちゃくちゃかっこいいやおまへんか。
ということですぐに税理士事務所にメールして、今月分の給与に「新コロ手当」を上乗せすることに。

で、こんなときに限って、日頃めったに体調をくずさない3歳の娘の調子がよくない。もう1週間ほど。数日前から5歳の娘も怪しくなってきた。
ということで、仕事を休んで育児三昧の日々。毎日ものすごく目まぐるしく過ぎてゆくのだが、今日がいちばんスゴかった。

3歳の娘がこの5日ほどろくに食事を摂れていなかった。
毎日朝から晩まで、おだてたり、怒鳴りつけたり、テレビを見せながらだったり、鬼の写真でおどしてみたりして、ヨーグルトだのジュースだのフルーツだのいろいろを半ば無理やり与えてきた。好きだった牛乳は昨日から飲まなくなった。
体調は上向きな感じもするけど、体重は減ってきている。
そりゃそうだ。起きている間の半分ぐらいを泣いたり叫んだりぐずったりして(風が吹いただけで怒り出すような、史上最高のぐずりっぷり)、カロリーを消費しまくってるんだから。
今日こそちゃんと食わせなければならない。

朝。
親指の先ぐらいのおにぎりにノリで鉢巻きをし、好物のイチゴやデコポンと一緒に並べて盛る。最初の2個、ノリで食べてくれたがあとはダメ。嗚呼。

昼。
軒先にテーブルとイスを出し、好きそうな惣菜を買ってきてピクニック風に。炊いた青菜を数切れだけ食べて、遊びたい、シャボン玉がしたいと泣きじゃくる。チーン。

おやつ。
ヨーグルト、海苔巻きせんべい、冷奴、もずくなど好物をラインナップ。冷奴ともずくだけ食べる。なんでカロリー低いものだけ…。

そして迎えた夜。
押したり引いたりしながら「ラーメンなら食べられる」という言質を取る。気合いを入れてうまいラーメンを作る。が、出す前に「やっぱり要らない」と言われる。
もうあかん。今日の食事はこれで最後だからここでちゃんと食わせないと、絶対にあかん。
何度目かの赤鬼画像投入。泣き叫ぶ娘。押し問答の15分。
で、気づく。あ、これがいちばんあかん。
一口も食べさせてないのに、またカロリーを消費させてしまった。しかも体調のわるい幼子を精神的に追い込んでしまった。
謝りたおして仕切り直し。
優しく抱っこする。イチゴとデコポンとバナナを出す。コーンスープも。イチゴだけ食べる...

洗濯と掃除と買い出し(子どもを車に置いてダッシュ)と布団のセットは昼間に済ませた。夜は食事関係でいっぱいいっぱいだ。食べられそうなものをいろいろ出すから作業量が多い。だけど出したものの大半はゴミになる。エンゲル係数高めかつフードロス多め。作って盛って出して引いて捨ててまた作って、そんで都度手を洗ってアルコール。皿もとっかえひっかえしているから洗い物の量は異常。
とにかくやらないと終わらない。てきぱき休まず動く。手はがさがさだけど心は錦。なんか違うな。

洗い物を終えて娘を抱っこする。全力は尽くした。でも食べさせられなかった。途方に暮れて抱っこする。
ああ今日もまただめだった。この感じで快復するんだろうか。娘たちはつまらないアニメを見ている。
と、突然、3歳が「ラーメン食べる」と宣言する。
マジか。ラーメン、のびきってたけど捨てるのもったいなくて置いといてよかった。
そして、いつもの量の4分の1ぐらいだけど、食べた。
抱っこされて安心して好きなアニメ見てリラックスして腹が減ってたら、そりゃ好きなもの食べたくなるわな。
いつもこうだ。基本的で大事なことを見落とす。
3歳の娘との格闘の横で、5歳の娘もいい感じのガヤを入れてくれて、つまり、ついでな感じでわがままを言ったりぐずったりして、現場は終始混乱していたとはいえ、こんな当たり前のことに気づけなかった。
大いに反省。

歯磨きをして、手を洗い、風呂は今日は無しにしてタオルで体を拭き、保湿剤を塗り、上の子をトイレへ行かせ、下の子のオムツを換え、あとは寝かしつけだけだ。
どうかスムーズに寝付いてくれますように...と祈り終わる前に2人とも寝息をたて始めた。
遂に終わった。今日という日の育児が。
よし、これから仕事だ。書かねばならぬものがある。
そっと布団から抜け出そうとしたそのとき...

3歳の娘が激しくむせた。その勢いで少しだけ吐く。
急いで布団、枕、タオルを交換。速やかに再度寝かし付けを試みる。せっかく食べたのにこれ以上吐かせられない。いつも以上に丁寧に、優しく、心を込めて背中をすりすり。
ほどなくして眠る。20分ほどそばで見守る。大丈夫そうだ。
今度こそ、本当に、今日という日の育児が終わった。

いきなり出た大量の洗濯物を処理し、今日という日の家事も終わった。
くたびれきって、もう仕事どころではない。締め切り過ぎてるけど、明日に回そう。寝よう。
いや、だめだ。記録を残さなければ。こんな怒涛の一日はそうそうあるものではない(ことを心から願う)。

で、2000字以上も打ってしまった。バカだ。
でも、これでやっと、今日という日を終えられる。
日付変わってるけど。しかも2時半だけど...

 

駒田健一